からっとした晴れの日が続き、おでかけにちょうどいい季節になりました。夏のレジャーシーズン、行き先は美術館もおすすめです。
ひとりなら作品とゆっくり向き合えて、自分の感覚の揺らぎまで感じることができます。 アート鑑賞後のミュージアムショップやカフェでの休憩タイムも楽しみのひとつ。
こどもとおとなの自由研究 工芸の〇△□✕展
会期:2022年7月5日(月)~ 9月4日(日)
会場:国立工芸館 石川県金沢市出羽町3-2
チケット代:300円
工芸を観察すると、ここでも実にさまざまな○や△、□や✕に出合います。たとえば曲輪造りの盛器。ガラスピッチャーのシャープな注ぎ口。サイズ、用途も豊富な箱。素材のしなやかさを頼みに、たわめ、ギリギリの力加減で組み合った状況が並ぶ籠目など、いずれも使い手と作り手双方が描く「こうしたい」と願うイメージを実現するために、それもより善く、さらなるカッコイイを目指した結果、浮かび上がった〇△□✕です。
国立工芸館 こどもとおとなの自由研究 工芸の〇△□✕展 ウェブサイトより

国立工芸館は、手ごろなチケット代からもわかるように小規模の美術館。周辺には兼六園をはじめ、美術館がたくさん集まっているから、ハシゴするのもおすすめです。
車・公共交通どちらもアクセス抜群でストレスゼロ。私は車で行ったので、すぐそばにある共用駐車スペースが嬉しかった。
好きな展示
※今回の所蔵品展は写真撮影・SNS投稿OKです(一部のぞく)また、独立行政法人 国立美術館の所蔵作品総合目録検索システムで詳細を見ることができます。
鶉四分一打出水滴・堆漆亀香合


可愛い!
愛らしいたたずまいと技巧にくぎ付けです。〇△□✕のなかで〇がたくさん見つけられました。〇が表すのはかわいい、柔らかい、小さい…?どちらも片手に収まる大きさで、手のひらにのせてみたくなります。
截土容黒釉一輪挿・練上嘯裂文茜手大壺


不動の□の上で踊る△。〇はあたたかみ。姿かたちが見る者の心にもたらす感覚の不思議を感じます。
実際に展示品を触ることはできませんが、陶器の作品なので触ればきっと硬く、視覚とのギャップに驚かされます。大壺の表面は触ったら指が沈むんじゃないかと思うフワフワ感だし、一輪挿しはまるで布の包みがほどけるような繊細さなのに。
秋草重文庫 むさしの・紬地型絵染のれん 滝・竹華器 怒涛


所蔵されてると知らずに行った先で、好きな作家に出会う喜びはまた特別。芹沢銈介の作品は身近な自然や人の生活をモチーフにしているものが多く、心が和みます。
勢いよく落ちる滝の右側には「怒涛」〇と△が重なり水の激しいうねり。左端のむさしのは一転して静謐の□。遠くに滝の音がする秋の野原?このガラスケースのなかは音が満ちてて楽しい。
月華


〇はやさしく広がって、少し怖い。
月の光そのものというより、月あかりに照らされた夜の静けさ。人気のなくなった真夜中のような。ひかりの加減で変わらない中心の黒に向かってどこまでも吸い込まれそうです。いつもは怖いはずの暗闇が、不思議と柔らかく感じる瞬間に似ていました。光の加減でくらがりがうごくのも素敵です。
ひとりの時間は美術館のカフェで憩う
展示をゆっくり見終えたら、足を休めるためにもカフェで休憩です。国立工芸館の中にカフェはないので、隣の県立美術館のカフェでリラックスモード。1階にあるル ミュゼ ドゥ アッシュ KANAZAWAはガラス張りの窓が開放感たっぷり。遊歩道にくる小鳥たちを眺めることもできます。

桃がまるごと入っているガブリ ペシェは数量限定・季節限定の絶品スイーツです。ああ、桃が!桃が!品のいい味わいのクリームと甘い桃が幸せ!1000円以上の価格でも後悔のないおいしさ。
アートのような美しい見た目のお菓子がガラスケースに並んでいて、後日見たスイーツ一覧は、まるで美術館の目録でした。
日常では使わない部分の感性を刺激されて心地よい心のマッサージタイム。ひとりですごす時間を、美術館で過ごしてみてはいかがでしょうか。

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